音声ガイド

日本語音声ガイドとは、視覚から情報を得ることが困難な方に対して、場面や情景を解説するナレーションのことです。 現在、映画館では「音声」をスマートフォン等の端末を通じて音声ガイドの再生を行うことのできるUDCast(ユーディーキャスト)アプリケーションが主流になりつつありますが、こちらはあらかじめ用意された台本に沿って操作するため「生もの」である舞台では、FM波で音声を飛ばしラジオで聞くという方法で上演されています。

ものがたりグループ☆ポランの会では童話1冊、地の文章と台詞全てを語るため、 物語の内容は理解していただけると思いますが、 語りが描写しているモノと、実際に舞台上に見えているモノが違う 「抽象舞台」を創ることもあります。 音声ガイドが付くことで、目が見える方も見えにくい方も同じように作品のイメージを膨らませて楽しんでいただけます。また周りが笑っているのに、今、何が可笑しいのかわからないという状況や、生ものならではのアクシデントにも対応できるようリアルタイムでお届けしています。

音声ガイドについて詳しく知りたい方は株式会社スタジオカナーレのサイトをご覧ください。
音声ガイドの歴史のページでポランの会が紹介されています。

「銀河鉄道の夜」ヘヴィ・メタルver

開演15分前から、作品の解説、舞台セットや衣裳の説明、役者やスタッフ、見どころなどを紹介。 本編ガイドでは、声だけではわからない役者の表情、セットや照明の変化を解説しました。

舞台ミニツアーの様子
ミニツアーの前にスタッフが念入りにリハーサル

「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊した大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指しながら、みんなに問をかけました。カムパネルラが手をあげました。それから四五人手をあげました。ジョバンニも手をあげようとして、急いでそのままやめました。たしかにあれがみんな星だと、いつか雑誌で読んだのでしたが、このごろはジョバンニはまるで毎日教室でもねむく、本を読むひまも読む本もないので、なんだかどんなこともよくわからないという気持ちがするのでした。(銀河鉄道の夜より)

このセットは教室から列車の中まで共通して使われています。教室のシーンでは梯子の先に錆びた椅子が、幻想第四次空間では白い球が置かれました。白い球は魂の象徴として扱っています。

開演前ガイドより抜粋
Na)舞台上には、中央からやや右寄りのスペースに、錆びた鉄骨を思わせる大掛かりなセットが置かれています。セットの中心はステージのような台で、高さが40センチ、1辺が160センチほどの正方形です。 その台の下から、長さの違う7本のレールがまっすぐ外側へと伸び、 それぞれのレールの先には椅子のようなものがのっています。 このオブジェは7つとも全て取り外しができ、 代わりに50センチの白い球がのることもあります。 実はこのセット、劇中に役者がレールの端の部分を横に押すことで台を中心に全体がぐるぐる回転するのです。

衣裳
衣裳さんの説明を聞きながら、素材や形に触れていただきました。 こちらは鳥を捕る人の衣裳です。

ワンポイント
左から、鳥捕り・ジョバンニ・カムパネルラ
原本の通りに語ると、語り手は鳥捕りについて「茶いろの少しぼろぼろの外套を着て、白い布で包んだ荷物を、二つに分けて肩にかけた、赤髭の背中のかがんだ人でした」と描写します。舞台上の鳥捕りとは違っているため、このズレを音声ガイドで補足。

本編ガイドより抜粋
Na)赤と黒のロングヘアーにシルクハット。スキニーパンツを履き背中がパックリ開いた黒い羽根のベストを纏っている。

十周年記念公演 銀河鉄道の夜 音声ガイドつきPV ナレーション 原 ミユキ

音声ガイドができるまで


1年前

構成の段階から演出プランに沿ってシミュレーションをくり返し、ガイドを入れる場所を4ヶ月間話し合いました。

半年前
第1稿・仮原稿を提出し、演出と音声ガイドの摺り合わせ、ガイドナレーションの音の響きが 本編の芝居の邪魔にならないか、本編とガイドのバランスを話し合いました。

2ヶ月前
第1稿から何度も何度も 推敲を重ね、最終稿を監修に提出。

1ヶ月前
モニター検討会 中野区視覚障害者福祉協会にご協力いただき、本番と同じ舞台セットを使って観ていただきました。 検討会後、原稿を修正して監修に提出。監修原稿をナレーターに提出。

前日
ゲネプロで照明と天幕を確認して、ナレーターと監修が最終打合せ。 ナレーターが最終原稿を書き上げました。

音声ガイド付き「銀河鉄道の夜」は、演出の意図、ポランの会として伝えたいこと、役者の指先の動きまで 伝え残しのないよう何度も何度も推敲して創り上げたパッケージ作品です。 ディスクライバー・ナレーター・監修のプロフェッショナルが力を合わせて創り上げた自信作です。 これからも、たくさんの方に、この「銀河鉄道の夜」を観ていただきたいと思っています。
(この音声ガイド付き上演を実現させるため、出演者・関係者5名が日本映像翻訳アカデミー バリアフリー視聴用音声ガイド養成講座を受講しました。 )

日本映像翻訳アカデミーのサイトで紹介していただいています。

修了生が舞台を音声ガイド付きで上演 宮澤賢治とヘヴィ・メタルが融合
音声ガイド付き舞台が大盛況 視覚障害者からも称賛の声
jvta修了生が取り組む 舞台公演のバリアフリー化

お客様の声
<中野区 女性>
音声ガイドは、モニターのときよりもシンプルになっており、 適切な場所でちゃんと説明が聞こえるようになっていました。 お話の中身は朗読本来の部分をいかしてあり、あくまで音声ガイドはサポートって感じ。 今回は、役者さんたちの声のバランスも整っていたので、お芝居も気持ちよく聴くことができました。 とくに、ナレーターが読み上げているときにも、少年たちがたえず微笑みあっていたり、動いている様子が伝わってきたりして、モニターのときよりも舞台の楽しげな様子がよく伝わってきました。 ただ、一番前に座らせていただいたせいか、大事な音声ガイドが音楽につぶされてしまいそうになり、耳をふさぐようなかたちで、音声ガイドに集中しなければならない箇所がいくつかあり、これはラジオのボリュームの問題でもあるので、 少し残念だった人もいるかもしれないなと思ったところがありました。 それ以外はほんとにすてきに仕上がっていました。

<中野区 女性>
劇が始まる前の舞台ツアーにも参加できて、舞台衣装やバランスボールなどの小道具も触ったり、 一緒にぐるぐる回転したりして、一足先に、童話の世界を体感できたのは、とても楽しかったです。 そして、ポランの会の皆さんの元気いっぱいの演技やヘビメタの音楽も、なんだか、今の時代にマッチした感じで、 面白かったですよ。 一緒に観劇したKさんも、とっても楽しそうにしてましたよ。 次回も楽しみにしてまぁぁす。また、舞台ツアーに参加したいでぇぇっす。


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