手話と音楽と語りで綾なすライブセッション

「バリアフリーのその先」を体感する演劇公演
『手話と音楽と語りで綾なすライブセッション 〜すきとおったほんとうのたべもの〜 2024』

これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、
あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。
宮澤賢治 ー『注文の多い料理店』 序 ー


宮澤賢治の世界では、あらゆるものが生命をもち、出会い、関わり合う。ときには痛みさえともなう物語を、異なる感覚をもつ表現者たちが重奏的に紡ぎ出す。「手話」「音楽」「語り」が作品として一体となり、誰もが楽しめる芸術体験の新たな地平に挑んだ2023年初演作品のアップグレード再演!

「注文の多い料理店 序」
目の前に広がるのは、岩手の美しい風景。言葉がコラージュのように重なり、まるで絵本を読んでいるような不思議な感覚で、幻想の世界へと誘われていきます。岩手の風を感じ、大地を踏み締めて作曲した白井崇陽のオリジナル曲に乗せて、語り手と手話パフォーマーが一緒に演じます。

「注文の多い料理店」
都会から狩猟に来た二人の紳士が、山奥で道に迷い、忽然と現れた西洋料理店<山猫軒>に入ってみると、奇妙な注文が記されたいくつもの扉と長い廊下が続いていた。紳士たちは注文通りに長い廊下をずんずん進んで行く。合計13にも及ぶ扉のメッセージや注文は、二人の紳士の様子をうかがいながらリアルタイムで示されている。

「土神と狐」
ごく乱暴で髪もぼろぼろ、過去の存在として人々から忘れられている土神と、上品に着飾り、偽りの自分を演じる狐。樺の木に想いを寄せる土神と狐のコンプレックスが互いに交差し、転がっていく。なぜ信じるのか。なぜ信じられないのか…。正直、不正直とは…。


近年、バリアフリーを目的として手話や字幕が付く作品が増えているが、多くはすでに出来上がった作品に対して「手話通訳」を付けるというもの。本作品では様々な舞台作品でも活躍する手話表現のプロたちが企画段階から関わり芸術的なパフォーマンスを創り上げた。「手話」「音楽」「語り」が一体となり「バリアフリー」という言葉では括れない、豊かで新しい表現が生まれる。
鑑賞サポートにも様々な工夫を凝らす。車いすスペースや介助者同伴チケット、受付での筆談・手話対応のほか、舞台の状況などをリアルタイム音声で伝える「音声ガイド」、動くオノマトペで宮澤賢治の文学を存分に味わえるオリジナル日本語字幕投影などの他、俳優が着用した衣裳のデザインや生地を触って確かめることができる衣裳人形をロビーに展示した。


手話と音楽と語りで綾なすライブセッション
〜すきとおったほんとうのたべもの〜

2024年
11月29日(金)・30日(土
ルーテル市ヶ谷ホール

演出:彩木香里 
オリジナル演出:窪田壮史

出演
手話 河合祐三子 / 數見陽子/ 佐沢静枝 / 武井誠 / 南雲麻衣
語り 彩木香里 / 鈴木太二 / 小寺麻未 / 森下高志
演奏 白井崇陽(バイオリン)/ 金澤亜希子(ピアノ)

スタッフ
演出助手:植松りか
照明:石井高彦
照明助手:坂巻たまみ
イラスト:日下明
デザイン:上丘ミオ
衣裳:榊登司子
音声ガイド:株式会社音声ガイドット
字幕:鈴木太二 山田よう
字幕監修:廣川麻子
字幕OP:下藤忠史
制作:堀川砂織 山田よう 野﨑美樹 
広報協力・記録執筆:大堀久美子
宣伝:小寺麻未
写真撮影:池田新
手話通訳:小松智美 吉田亜紀 清田真見

主催:ものがたりグループ☆ポランの会
協力:CINEMA Chupki TABATA
特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)
株式会社音声ガイドット / 株式会社イヤホンガイド
後援:宮沢賢治研究会 / 宮沢賢治学会イーハトーブセンター 
助成:芸術文化振興基金助成事業
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化鑑賞サポート助成] 
公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団